OGKカブトがJIS規格を取り上げられるという事件が起きましたね。
https://www.ogkkabuto.co.jp/より
OGKカブトHPを見てみると、お詫びのページがありました。
その中にはこんな文章が。
現在お使いいただいております全ての製品についても、それぞれの規格を満たしており、何ら問題なく安心してご使用いただけます。
ん?じゃあ一体、何がJIS規格で引っ掛かったんだ??
ってところから始まります。
取り消しに関する説明文を引用するとこうだ
この度、弊社は令和元年10月25日に実施されました一般財団法人 日本車両検査協会による日本産業規格臨時認証維持審査の結果、経済産業省より弊社大阪府東大阪衣摺工場の「JIS認証取消」が発表されましたので、お知らせ申し上げます。
どうやら、「一般財団法人 日本車両検査協会」という団体が審査を行ったらしい。
その結果「JIS認証」が取り消された。
ふむふむ。
さらに、こんな文章もありました。
本件については一部工程管理の問題によるものであり、現在流通中の製品において、日本車両検査協会が実施した試験では、製品の安全性や品質については、JIS規格を満たしており、問題がないことをお知らせ申し上げます。
つまりは、製品の質的には問題がないものの、製品の企画〜販売までのプロセスにおいてなんらかの問題があったという事だろうか。
製品に欠陥があったということならば話はわかりやすいのだが、どうやらそうではないらしい。
既存の製品はJIS規格を満たしており、安全性・品質に問題がないのだから。
JIS規格とはそもそもなんなのか
おそらくこの問題をしっかりと把握するには、JIS規格というものがなんなのか知っておく必要があるだろう
上の日本規格協会HPよりJISについて引用する。
もっと詳しく知りたい!という方は上のリンクなり、総務省のHPなりを参考に!
JIS=Japanese Industrial Standards
JISはJapanese Industrial Standardsの略とのこと。日本語にすれば、日本産業規格。
これは物だけに適応されるものではないらしい。
今回はヘルメットを扱うOGKが問題になっているが、このJISがカバーする範囲は広い。
産業製品生産はもちろん、文字コードやプログラムコードといった情報処理、サービスに関する規格もあるそうな。
「JIS=ある一定の品質を保証する」と勝手に思っていました。
これは間違いですね。
JISの目的
JISの目的は、技術文書として国レベルの「規格」を制定し、これを全国的に「統一」または「単純化」することだそう。
ただこれは非常にわかりにくい例えだと思う。
だから上に挙げた「JSAのHP」では規格を標準という言い換えをして、以下のようにまとめている。
一般的に「標準(=規格)」は任意のものですが、法規などに引用された場合は強制力を持ちます。
標準化の意義は、自由に放置すれば、多様化・複雑化・無秩序化してしまうモノやコトについて、
- 経済・社会活動の利便性の確保(互換性の確保等)
- 生産の効率化(品種削減を通じての量産化等)
- 公正性を確保(消費者の利益の確保、取引の単純化等)
- 技術進歩の促進(新しい知識の創造や新技術の開発・普及の支援等)
- 安全や健康の保持
- 環境の保全等
上記の観点から、技術文書として国レベルの「規格」を制定し、これを全国的に「統一」または「単純化」することです。
つまりは、安全云々というよりは、「日本という国単位でモノの「規格」を統一しておくことで悪い商品を生まないように公平な競争を行えるようにしましょうね。」という感じだろうか(これは個人的にそう感じたというだけだけれど)。
少なくとも、JISを取り消されてしまったからといって、それは「JIS規格外の製品」であって、「悪い製品」ではないということがわかる。
OGKカブトはなぜ「JIS認証取消」に?
本題だが、それではなぜ「OGKカブト」は「JIS認証取消」になったのか。
答えは総務省のHPにありました。
探したら簡単にでてきたよ。
長期間にわたり製品の組み立て場所に係る記録が適切に記載されていなかったことを確認しました。このため、品質管理体制が、鉱工業品及びその加工技術に係る日本産業規格への適合性の認証に関する省令に定める基準を満足しておらず、その内容が重大であると認められたため、2019年11月25日付で、車両検は同社の認証を取消しました。
https://www.meti.go.jp/press/2019/11/20191125009/20191125009.htmlより画像と文章を引用
製品の組み立て場所に関する記録を適切に管理していなかったためにJIS認証を取り消されたわけですね。
経済産業省のHPにも記載がある通り、
車両検が実施した試験では、製品の安全性や品質については、JIS規格を満たしており、問題がないことが確認されている
そうです。
なので使用する分には問題はないようですね。
JIS規格を再度取得するには?
JIS認証取消を受け、再度取得したような企業がないか調べてみました。
その結果、こんな報告を見つけました
上のHPを見ていただければわかるのですが、神鋼鋼線ステンレス(株)はJIS規格に関わる不適合事象が判明し、2016年6月10日にばね用ステンレス鋼線(JIS G 4314)のJIS認証が取り消されました。
その後、2018年1月23日にJIS規格の再取得を行なっています。
神鋼鋼線ステンレス(株)の場合、取り消しから再取得までに用しか期間は約1年半。
この期間が長いのか短いのかはわかりませんが、再取得が可能なのは間違いなさそうです。
取り消しが行われるような管理だったことは問題ですが、しっかりと再取得しているのは素晴らしいことだと思います。
(厚かましいが)OGKさんへエール
写真はHondaGO BIKE STANDを利用しに天神浜オートキャンプ場まで 中編 - あかパンダブログより。黒いヘルメットはあかパンダ愛用のカムイ2。
OGKカブトさんもJIS規格の再取得をしてくれると信じています。
きっと風評被害等もあるでしょう。
「安全性に問題があるんじゃないの?」と思うのも気持ちはわかります。
しかし、私もOGKカブトのヘルメットのユーザーですが、低価格のヘルメットを作ってくれるのは大変嬉しいことです。
学生にとってヘルメットに5万・6万出すというのは結構な勇気がいる買い物です。
私もそういったヘルメットに憧れはあったものの、手を出せずにいました。
そんな中、大学時代にバイクの免許を取得して、初めて購入したのがOGKのヘルメットでした。
というか、社会人1年目の今でもOGKのヘルメットを被っていますしね。
初めて購入したヘルメットというのは結構思い入れがあると思います。
だから今回のJIS規格取消は「期待を裏切られた」という気持ちの人もいると思うんですよ。
私も残念に思っていますし。
でも頑張ってもらいたいなぁ。
しっかりと環境を見直して、JIS規格を再取得して、これまで以上に良い製品を作ってくれたらそれが一番だと思います。
そうしてくれたら、少なくとも私はこれまでと同じく購入を検討すると思いますし、同じような人も結構いるんじゃないでしょうか。
頑張りどころなんだと思います。
OGKカブト頑張れぃ!!応援してるぞぅ!!以上!